|   | 
    
        
       
      渡辺信一郎著 
      A5判上製 
        定価7,350円(税込) 
ISBN978-4-89259-718-3 
      | 
      | 
    
       中国古代専制国家の政治秩序は、法制と礼楽制度によって維持される。古典的国制の根幹をなした礼楽制度のうち、楽制の歴史的展開に焦点をあて、漢代から唐代初期に至るまでの中国古代国家の帝国的特質を解明。隋の楽制改革の歴史的意義、さらにその日本雅楽への影響を明らかにする。 
       
      目次 
        緒 論 
第一部 響きの帝国 漢代の楽制と祭儀 
第一章 中国古代の礼楽と巫覡 漢代礼容の儒学をてがかりに 
 はじめに 
 一 漢代礼容の儒学 国家儀礼の執行者 
 二 礼容の儒学の祖先をもとめて 
 三 再び漢代へ 戦国秦漢期の巫祝 
 おわりに 
第二章 前漢「郊祀歌」十九章の祭祀空間と政治空間 
 はじめに 
 一 前漢武帝期の郊祀と郊祀歌十九章の成立 
 二 「郊祀歌」十九章の構造 
 三 「郊祀歌」十九章の祭祀空間と政治空間 
 おわりに 
第三章 前漢時代の宗廟と楽制 『安世房中歌』十七章と承天のイデオロギー 
 はじめに 
 一 前漢の宗廟祭祀と廟楽の成立 
 二 『安世房中歌』十七章について 
 三 承天の政治的イデオロギー 
 おわりに 
第四章 前漢末の楽制改革と民間音楽 
 はじめに 
 一 郊祀歌・安世房中歌と漢代の民間音楽 
 二 前漢末の楽制改革 
 三 王莽期の楽制改革 
 おわりに――「大予楽」の成立 
 
第二部 天下大同の楽 隋の楽制改革とその帝国構造 
小 序 隋文帝の怒り  
第一章 楽制改革の歴史的前提 流亡する伶人 
 はじめに 
 一 後漢の「大予楽」と西晋の太常四楽官 
 二 流亡と回帰 南朝の場合 
 三 流亡と回帰 北朝の場合 
補 論 北魏の雅楽改革 『魏書』楽志を中心に 
 はじめに 
 一 高閭・公孫崇の雅楽改革 
 二 太常卿劉芳の楽制改革 
 三 梁人陳仲孺と安豊王元延明・信都芳による楽律改革提案 
 四 大成楽の成立 
第二章 雅楽の制作と楽律の調整 
 はじめに 
 一 雅楽の制作と調式 
 二 楽律の調整と旋宮法 
 三 宮懸の編成と歌辞の制作 
第三章 燕楽七部伎楽の編成 清商楽と四夷楽の編成 
 はじめに 
 一 清商楽の導入とその経緯 
 二 四夷楽の編成と隋初の七部伎 
 三 真人代歌・簸邏迴歌と国伎西涼楽 
 おわりに 
第四章 北狄楽の編成 鼓吹楽の改革 
 はじめに 
 一 漢六朝期の鼓吹楽 
 二 隋の鼓吹楽改革 
 三 隋唐期の鼓吹楽の構成と歴史的特質 
 おわりに 
第五章 散楽と正月十五日の民間習俗 隋の楽制の民衆的基盤と帝国構造 
 はじめに 
 一 玄宗先天二年の上元燃燈 
 二 散楽と踏歌 
 三 正月十五日 
 四 隋煬帝の散楽再編成と帝国構造の特質 
 おわりに 
小 結 隋の楽制改革の諸結果 
 
第三部 余論 隋唐の楽制と日本雅楽の源流 
第一章 隋の楽制改革と倭国 
第二章 雅楽が来た道 
 一 日本雅楽の構成 
 二 日本雅楽の形成と平安朝初期の楽制改革 
 三 平安初期の遣唐使と音楽の伝来 
 四 唐代宮廷音楽の構成 
 五 唐代燕楽の由来と特色 インド・西域(亀茲)音楽の受容と融合 
第三章 平等院鳳凰堂の音楽 西涼楽始末 
 はじめに 
 一 燕楽七部伎と西涼楽 
 二 秦声と西涼楽の成立 
 三 平等院鳳凰堂諸菩薩・諸尊の音楽と「古楽図」 
 四 日本雅楽の源流と西涼楽 
 おわりに 
 
主要参考文献 
あとがき 
事項索引 
       
     |