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ゲバルトボーイ

 
 

ゲバルトボーイ

高橋 恩 著

四六判上製 362ページ
定価:本体2000円+税
ISBN978-4-89259-831-9

 

 

3歳の記憶にある朝鮮戦争と家族の風景から書き起こし、東京オリンピック時代の高校生生徒会活動、1966年の京大経済学部入学から「警官侵入事件」「自衛官闘争」…。「67年10月8日羽田」「日大と東大」「学生部封鎖・陥落」を経て学生運動との最後の別れへ…。
2017年6月、70歳で亡くなった著者の、青春の追憶手記。

【同窓生のメッセージ】
この本に収められた物語は、最初は著者により「20世紀、僕は少年だった」と題され、次に「昭和キッド」と改題され、最終的に「ゲバルトボーイ」となりました。書き出したころは、むしろ前半部分にウェイトがあったと思われるのです。
戦後まもなくに生を受けた一人の少年(から青年)の目を通して語られた日本のごく一部分の情景が、著者の驚くべき記憶力によって活き活きと語られるとき、同じ時代を生きた者には、いささかのノスタルジーとともに、こんな状況もあったんだと、刮目させられることが多々あると思います。
後半は、京都大学における政治活動、山崎博昭君の死、学生部封鎖に始まる京大闘争の経緯が語られます。ここは反論も多い部分だと思いますが、著者は全共闘の客観史を書くつもりはなく、あくまで彼の目を通した記録を残そうとしたと考えられます。
彼はその後、政治の匂いのする場には、決して近づこうとはしませんでした。最近の学生諸君による戦争放棄への抗議運動にも、誘っても出てきませんでした。彼の眼には、京大闘争末期の不愉快な記憶がよみがえっていたのでしょう。
全共闘というのは、組織であり、運動であり、思想であり、また生き方でありました。いろいろな形で関わった人、また関わらなかった人もいるでしょう。戦後史そのものである団塊の世代を、自分史として振り返る伝として、また若い世代に伝える何かを見つけるために手に取ってほしい本だと思います。もちろん若い人たちには、今は古稀を越えた爺さん婆さんが通過した時代を、読み取ってほしいです。

第一章 馬関の砲声
 子供の見た朝鮮戦争
 豊君のお父さん
 トーチカ戦争
 学校へ行く道
 長屋の暮らし
第二章 田原坂を越えて
 牧洲小学校
 引き上げ者
 富川中学校
 六〇年安保の頃
 野間先生と中居君
 近所の友達
第三章 またも敗けたか八連隊
 熊本から大阪へ
 三条高校入学の頃
 田舎へ帰る田舎者
 演劇部から生徒会へ
 東京オリンピック
 次の生徒会長
 遅めの受験勉強
 ベトナム戦争の影
 修学旅行
 生徒会その後
 日韓条約の頃
 最後のファイア・ストーム
 大学受験
第四章 戊辰の復讐
 大学入学の頃
 警官侵入事件
 自衛官闘争
 活動家一年生の日々
 反ラスク闘争
 家庭教師
 活動家の休日
 党派の間で
 六七年十月八日 羽田
第五章 烽火三月ニ連ナリ
 組織を離れて
 どうにか進級
 日大と東大
 反戦連合の頃
 寮での暮らし
 アルバイトあれこれ
 学生部封鎖
 学生部陥落
 バレンタインのために
 さよならの後で