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移民の衣食住 I 海を渡って何を食べるのか

 
 
移民の衣食住 1

河原典史・大原関一浩 編著

A5判 277ページ
定価:3000円+税
ISBN978-4-89259-905-7

 

移民を故国と結びつける媒介であり、現地社会の人々と新たな関係を生みだすきっかけにもなる「食」―文学・歴史学・地理学・社会学の視点から移民の生活を浮き彫りにするユニークなシリーズ第1弾。

はじめに
第1部 新しい食との出会い

第1章 醤油と日本人移民─ハワイ・北米の場合(大原関一浩)
1 はじめに
2 日本人の海外移住と醤油の輸出はじまり
3 醤油とダンゴ汁のおもいで
4 ハワイにおける醤油醸造のはじまり―安さで日本産醤油に対抗
5 本土における醤油製造―日本人向けとアメリカ人向けの2つのマーケット
6 戦時中の醤油不足と現地生産
7 日系人収容と醤油生産
8 おわりに

コラム シカゴ醤油王物語─コスモポリタン・永野新作の挑戦(デイ多佳子)
1 はじめに
2 シカゴにおける日本茶市場の開拓
3 シカゴにおける醤油製造
4 フジトレーディング社の発展

第2章 胃袋の定住─日本人移民とカリフォルニア米(徳永 悠)
1 はじめに
2 カリフォルニア州における稲作
3 第一次世界大戦と日本米の輸出禁止措置
4 日本政府への働きかけ、カリフォルニア米消費への移行
5 おわりに

コラム 萵苣からレタスへ─在米日系人が果たした役割(須田 満)
1 長い歴史をもつ萵苣とレタス
2 明治期以降の萵苣
3 カリフォルニア州に集中していくアメリカのレタス生産
4 在米日系人とレタス
5 おわりに

コラム 入荷量にはご注意を─在米ユダヤ人の祝祭日と農産市場(駒込 希)
1 ロサンゼルスの農産市場とユダヤ人の祝祭日
2 ロサンゼルスの農産市場におけるユダヤ人と日系人
3 ロシュ・ハシャナとヨム・キプール当日の農産市場
4 ロシュ・ハシャナとヨム・キプール後の農産市場

コラム カナダへの客船における食事─『山宣日記』の記述から(河原典史)
1 「山宣」の渡航
2 出航後の船酔い
3 洋食へと移る船内食

コラム 喫茶室で紅茶を─カナダ・ビクトリアの日本庭園(河原典史)
1 模索する日本庭園
2 Teahouseで食されるもの

第3章 戦時下の食を通じた支配と抵抗─帰米二世・井上龍生日記に見るツールレイク隔離収容所監房の食(和泉真澄)
1 はじめに
2 太平洋戦争中の日系アメリカ人とツールレイク隔離収容所
3 太平洋戦争中のアメリカの食と日系人収容所の食環境
4 ツールレイク隔離収容所監房日記(Tule Lake Stockade Diary)
5 ツールレイク隔離収容所での食と支配
6 隔離収容所の監房における食を通じた抵抗
7 おわりに

第4章 戦時下のアメリカ抑留所における食事「危険な敵性外国人」として収容された日系人たちの食生活─(尾上貴行)
1 はじめに
2 収容所の食事
3 抑留所の食事
4 抑留所の食事に関する考察
5 おわりに

コラム 家庭での軽食づくり─アメリカ・トパーズ日系収容所にて(野崎京子)
1 はじめに
2 失われた台所
3 家庭での手軽な料理
4 収容所での楽しみ
5 おわりに

コラム ホノルル近郊における沖縄県人の養豚業(飯田耕二郎)
1 第二次大戦前
2 養豚業の発展とその要因
3 第二次大戦後

コラム 安くてうまい酒を!─ハワイの日本酒醸造史(秋山かおり・鈴木 啓)
1 日本酒の醸造始まる
2 ハワイ日本酒の黄金期
3 戦後ハワイの日本酒

第2部 変わりゆく食

第5章 レシピの余白に書き込まれた食物語─日系アメリカ人とクックブック(松本ユキ)
1 はじめに
2 クックブックというジャンル
3 「食」を語る語彙
4 日系アメリカ人とクックブック
5 クックブックの出版目的
6 「食」をめぐる物語
7 おわりに

コラム 『コーラス・オブ・マッシュルーム』に描かれる食(桧原美恵)
1 はじめに
2 オバアチャンと孫の絆を深める日本の食物
3 食物に映しだされる母と娘の葛藤
4 「境界」を超える仕掛けとしてのマッシュルーム
5 「境界」を超える契機をもたらすトンカツ
6 おわりに

コラム 食による「らしさ」の獲得─サンノゼ日本人街と日本食文化(松永千紗)
1 サンノゼ日本人街とは
2 日本食レストランの今昔
3 新たな日本人街の出現
4 日本食の街から変化するサンノゼ日本人街

コラム 食が生み出す「場」のちから─サンノゼ別院の食文化(松永千紗)
1 供物としての饅頭
2 日系人の歴史が語られるボタモチ作りの「場」
3 組織を超えて協力する餅つきの「場」
4 繋がりを創出するフードブースの「場」
5 食が生み出す「場」

コラム バンクーバーの「ジャパレス」─あきレストラン物語(河原典史)
1 なぜ“SUKIYAKI”なのか
2 帰加三世としての渡加
3 アメリカ西海岸の日本食ブーム
4 「あきレストラン」の発展

コラム ブラジル・トメアスー移住地の食文化と俳句(半澤典子)
1 トメアスー入植地の建設史
2 俳句会の誕生と「胡椒」
3 食材と食文化
4 現地の動植物食材と俳句

コラム ブラジルに消えゆく「うた」のエスノグラフィー─日系移民短歌にみる食文化(金本伊津子)
1 「うた」のエスノグラフィー
2 「うた」にみる日系食文化の見える化
3 衰微する「うた」文化

第6章 異郷に生きるムスリム・ディアスポラ ─イスラームの食生活から見たアフガン移民の暮らし(桐原 翠)
1 はじめに
2 ムスリムが求めるイスラーム食
3 ハラール認証の誕生
4 移住の異郷で生活するアフガン人
5 おわりに

コラム 交流を育むカフヴェとチャイ─アメリカで受け継がれるトルコの飲物(志賀恭子)
1 在米トルコ人のカフヴェとチャイ
2 魅惑のトルコの飲み物の作り方
3 海を渡るカフヴェとチャイ
4 心をつなぐ飲み物

コラム 敵国人に何を食べさせるのか?─日本占領下フィリピンにおける連合国人抑留(木下 昭)
1 はじめに
2 太平洋戦争開戦前のフィリピン情勢
3 敵国民間人の抑留と処遇方針
4 サント・トマス大学での食事
5 おわりに

コラム 家庭の味としてのフィリピン料理(永田貴聖)
1 多様な文化と歴史が混在するフィリピン料理
2 海外への移民・出稼ぎ送り出しとフィリピン料理
3 日本人とフィリピン人の国際結婚の増加と二世の誕生
4 二世が語る家庭の味としての「フィリピン料理」

コラム 在日コリアンにみるチェサ(祭祀)とチェス(祭需)(李 裕淑)
1 在日コリアンとチェサ
2 チェサの意義
3 チェスの変容
4 チェササンの実例

あとがき─移民の「食」から「衣・住」へ
CONTENTS