日本で最初のサラリーマン・ユニオンの結成に参加し、労農党など戦前の無産階級運動の進展に貢献した古家実三氏。その1906年から1966年までの167冊にもなる膨大な日記を読み、当時の社会情勢と彼の人生を振り返る。
序 章 古家実三紹介
―「古家実三日記研究会」の活動を回顧して―
古家実三氏の思い出 元『福崎町史』編集室長 藤原 昭三
第一章 青春の波乱を越えて
一 生い立ち
二 第一神戸中学への入学
三 下里村役場書記、青年団の改革
四 転換期
回顧録 「明治四拾四年四月以降日誌帖」二十二歳
第二章 書籍行商から白雲堂書店開業へ
一 書籍行商への門出
二 市場参入
三 白雲堂書店の開業
四 関東大震災前後の白雲堂書店
五 朝鮮、中国東北部、台湾旅行記
第三章 社会運動の開幕
一 加西立憲青年会の結成と分解
1 加西立憲青年会の結成(大正二年三月)
2 大正倶楽部をめぐる動向(大正二年九月)
二 兵庫県青年党の結成
三 サラリーマン・ユニオン及び政治研究会神戸支部の活動
1 一九二五(大正一四)年の社会情勢
2 白雲堂書店、下里村青年会の変遷
3 サラリーマン・ユニオンの結成
4 政治研究会神戸支部、「葺合班」の組織活動
第四章 労農党の時代
序詞
一 労働農民党神戸支部
二 統一運動同盟兵庫地方同盟
三 労働農民党兵庫県支部への発展
四 普選最初の県議選をたたかう
五 労働農民党兵庫県支部聯合会第二回大会とその後について
第五章 弾圧に抗して
一 第五四議会解散、総選挙戦へ
二 塩田温泉記
三 労働農民党再建運動と引き続く政府弾圧 四・一六事件
第六章 新労農党の結成
一 古書買入の再開、地方巡礼
二 新労農党結成の準備過程
三 新労農党「結成大会参加記」
第七章 戦後の「古家日記」点描
〔白雲堂書店の営業再開〕
〔法華山一条寺及び地蔵院信徒総代の活動〕
〔古家実三の業績を尋ねる〕
1 「播磨郷土研究」の刊行
2 社会運動資料の集成
3 白雲堂―古本屋人生の真実
あとがき
著者紹介:木津力松(きづ・りきまつ)
1924年尼崎市に生まれる。小学校卒業後、住友金属尼崎鋼管製造所(第二製管仕上工)就職。1947年12月7日、日本共産党入党。1987年、兵庫県委員会専従、中央委員会。退職後、兵庫県民運動史研究に従事。
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