ある政府が、その政府を批判しようとする勢力の活動の自由を奪い、恣意的に逮捕・拘禁し、ある場合は拷問や虐殺にまで至るような人権侵害、たとえば南アフリカ、チリなどにおける大規模かつ組織的な人権侵害に対する国際社会の対応を振り返り、現在の北朝鮮の人権問題をどうとらえ、どう解決するのか、その道筋を提起する。
【もくじ】
はじめに
第一章 理念生成の時期(50年代前後)
(1)ようやく保持された国連憲章の人権規定
(2)理念の明確化と実施措置の欠落
(3)難民に対する援助措置の確立
第二章 実施措置確立の時期(60年代)
(1)人権委員会の変化と国際人権規約
(2)変化を生み出した力とその意味
(3)安保理による強制措置の登場
(4)人権保障措置全体の概要
第三章 模索と発展の時期1(90年代初頭まで)
(1)南アフリカのアパルトヘイトに反対して
(2)チリ軍事独裁政権による人権抑圧に抗して
(3)極度の政治性と中ソにおける人権侵害の放置
(4)弱点を克服するための模索と努力
(5)人道的介入をめぐって
第四章 模索と発展の時期2(現在まで)
(1)ソ連崩壊の人権問題への影響とアジアの勃興
(2)キューバの人権問題をめぐる攻防
(3)新しい局面における人道的介入論の行方
(4)国際刑事裁判所の設立とその意義
(5)人権理事会の創設とその展望
(6)国連人権活動の将来のために必要なこと
終 章 北朝鮮の人権問題に立ち向かう
(1)国連はどうあつかってきたか
(2)どんな内容、性格の人権問題か
(3)どうすれば解決に向かうのか
資料
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