1990年代末、「失われた10年」とも言われる不況期。その時期を対象に、日本の流通と消費に与えられた役割を、個別具体的に検討し、優先すべき諸政策を提起する。
序章 現代日本における流通の特徴と役割
1990年代以降の流通の特徴と規定要因/「デフレ支援」型流通の事例/流通の役割 再構築
第1章 1990年代における雇用・労働環境変化のもとでの消費支出の特徴
低価格商品市場の広がりと「価格破壊」現象 /1990年代の消費支出動向/1990年代 消費の特徴をうみだした経済的・社会的諸要因
第2章 日本メーカーのマーケティング
1980年代以前における日本メーカーのマーケティング/1990年代以降の市場環境の 変化/1990年代以降のメーカー・マーケティングの変化
第3章 バブル経済崩壊後の小売業界における変化と特徴
バブル経済崩壊後の小売環境を規定した要因/日本的な高コスト商品流通対応戦略と コストの外部転嫁力/バブル経済崩壊後の小売業界における変化の特徴
第4章 「失われた10年」における卸売業―遅れてきた「流通革命」―
「日本型流通システム」における卸売業/ 商業統計表からみた卸売業の長期動態/バブ ル崩壊後の流通システム再編と卸売業者
第5章 加工食品の中間流通と物流センター
高度成長期における中間流通と日本的流通/第一次オイルショック以降の流通経路の 複雑化と通過型物流センター/1990年代以降の食品取扱品目数増加と在庫型物流センター
第6章 外資系小売企業の日本市場への参入―1990年代以降を対象に―
日本への外資系小売企業の参入の歴史 /日本トイザらス/ウォルマート
仲上 哲(なかがみ てつ)
1960年生まれ。阪南大学流通学部准教授
森脇丈子(もりわき たけこ)
1966年生まれ。鹿児島県立短期大学生活科学准教授
佐久間英俊(さくま ひでとし)
1961年生まれ。中央大学商学部教授
田中彰(たなか あきら)
1967年生まれ。名古屋市立大学大学院経済学研究科教授
杉田宗徳(すぎた むねあき)
1970年生まれ。阪南大学流通学部准教授
宮崎祟将(みやざき たかまさ)
大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程在籍
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