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津田雅夫著
四六判上製 226ページ
定価3,150円(税込)
2011年10月刊
ISBN978-4-89259-663-6
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「もの」とはなにか。この自明の基礎語を日本思想史を<素材>にして徹底的に批評・解明。「もの」と「自覚」の対抗を基本軸にしながら、移動する「情」を新たに位置づけ、日本思想史についての核心的な断面を明らかにする。
序
一 「もの」について
二 「哲学」の行方
三 戸坂潤の「西田哲学批判」
四 「文学主義」について
五 「文献学主義」について
六 「考えるもの」の成立 …〈私と世界〉
第一章 「もの」について
一 「ものの思想」をめぐって
二 「もの」と「こと」
三 「もの」という言葉
四 「もの」をめぐる言説
五 「素材」としての「もの」
第二章 「直観」と「もの」
一 課題の性格
二 「直観」について
三 ベルグソンの直観
四 「行為的直観」について
五 「表現」について
六 「物」と「愛」
第三章 「論理」と「もの」
一 「行為的直観」と「自覚」
二 「もの」と「論理」
三 「自覚の論理」
四 「無の論理」
五 「論理」の文化翻訳
六 「論理」の行方
第四章 「情」と「もの」
一 「情的把握」をめぐって
二 西田における「情」の意義
三 媒介者としての「情」
四 「物の哀」… 思想伝統の側面から
五 「情」と「論理」について
六 「もの」の再把握 … 今日の視点から
第五章 「批評」について
一 「論理」とは何か
二 「認識」と「道徳」… 戸坂潤の場合
三 「思想」と「批評」…「常識(コモンセンス)」をめぐって
第六章 近代日本における〈宗教批判〉
第一節 〈宗教〉伝統の創造 … 鈴木大拙と柳田国男
一 「宗教」問題
二 鈴木大拙と柳田国男
三 宗教批判について
四 〈宗教〉の創造
第二節 宗教批判の今 … いったい何を批判するのか?
一 宗教批判の課題性
二 三木清と宗教批判
三 「近代啓蒙」とその遺産
四 「自然」について
津田 雅夫(つだ まさお)
1948年大阪市生まれ。1972年名古屋大学文学部哲学科卒業、同大学院博士課程単位取得退学後、同文学部助手を経て、現在、岐阜大学地域科学部教授。専攻は、思想史。
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