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両角英郎 著
A5判 298ページ
2,940
円(税込)
2012年11月刊
ISBN978-4-89259-695-7 |
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マルクス主義哲学の立場から、ソ連・東欧の社会主義崩壊を思想的に総括し、現代における変革の課題、宗教の役割について考察。また見田石介氏の業績に学びヘーゲル主義・形式論理学主義に陥らない「方法としての弁証法」を探究する。
(I)
人類史と宗教――解放の神学にふれて――
一 ソ連・東欧の崩壊=社会主義の闘いの第一ラウンドの終わり
二 時代の転換と宗教改革
三 第一の宗教改革から第二の宗教改革へ
四 第二の宗教改革の継続・進行――ボンヘッファーとモルトマン
五 狭義の解放の神学と広義の解放の神学
六 人類史と宗教
〈インタビュー〉現代における変革の課題とキリスト教 川端純四郎×両角英郎
ソ連・東欧の崩壊をどう見るか/東欧変革でキリスト教が果たした役割/社会主義の再生のために――マルクス主義とキリスト教の対話の必要性/マルクス主義との対話を可能にした二〇世紀プロテスタント神学の転換/解放の神学について ほか
現代世界と宗教の役割――「宗教的多元主義」をめぐる神学論争の考察を通して――
一 キリスト教の絶対性をめぐる論争
二 ジョン・ヒックの宗教的多元主義
三 宗教的多元主義の展開と基礎づけ
四 宗教的多元主義への批判的論点
五 地球村の思想の条件
環境思想とキリスト教
一 環境倫理学における自然中心主義と人間中心主義
二 リン・ホワイトのキリスト教批判
三 キリスト教の環境思想――ゲルハルト・リートケに学ぶ
四 小結――自然中心主義か人間中心主義か
〈読書ノート〉宮田光雄著『平和のハトとリヴァイアサン――聖書的象徴と現代政治』(岩波書店、一九八八年)
〈書評〉宮田光雄著『ボンヘッファーを読む』(岩波書店、一九九五年)
(II)
ヘーゲルの目的論
一 ヘーゲルの目的論をめぐる問題
二 ヘーゲルの労働観
三 ヘーゲルの目的論
四 結び
K・ローレンツの進化論的認識論と反映論
生命は学習なり/個体の学習と種の学習/種の学習=ローレンツの進化論/概念的思考の基礎/白紙説・生得説批判とカント評価/現代の唯物論と反映論 ほか
〈読書ノート〉唯物論再検討のための重要な問題提起 ――有尾善繁著『物質概念と弁証法』(青木書店、一九九三年)を読んで
〈書評〉鰺坂真著『マルクス主義哲学の源流――ドイツ古典哲学の本質とその展開』(学習の友社、一九九九年)
〈書評〉ヘーゲル論理学研究会編『ヘーゲル大論理学概念論の研究』(大月書店、一九九一年)
〈書評〉梅林誠爾著『生命の時間 社会の時間』(青木書店、二〇〇〇年)
(III)
方法としての弁証法について
一 方法としての弁証法の位置と意義
二 方法としての弁証法の具体的形態
現実の矛盾と論理的矛盾――矛盾論論争への視点――
はじめに――見田石介氏の問題提起
一 見田氏の弁証法理解の基本的立場
二 許萬元氏の見田氏批判の検討
三 岩崎允胤氏の見田氏への異論について
四 結び
弁証法的カテゴリーとしての普遍・特殊・個別
はじめに
一 普遍・特殊・個別の通説的理解
二 寺沢恒信氏の見解
三 岩崎允胤・宮原将平両氏の普遍・特殊・個別論の批判的検討
〈翻訳〉“Logik-Geschichtstheorie und die Methode von Marx”von Ishisuke Mita
見田理論にたいする最初の国際的評価――DDR科学アカデミーからの一通の手紙――
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