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溝端佐登史編著
日本国際問題研究所協力
A5判並製 294ページ
2,835円(税込)
ISBN978-4-89259-699-5
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ソ連崩壊後の長い低迷期を脱し、急速な経済成長を遂げたロシアは世界不況を経てどこへ向かうのか。社会・政治・経済状況を多角的・重層的にとらえ、(I)エネルギー産業、(II)環境問題、(III)近代化政策という三本柱を軸に、ロシア社会の現状と今後について考察する。
序章 ロシアにとっての遺産と課題
はじめに
1.ロシアはソ連から何を引き継いだのか?
2.ロシアの体制転換の概観
3.ロシアの政治・経済・社会制度概観
4.移行は終わったのか?
おわりに
第(I)部 政治と政策
第1章 ロシアにおける近代化の背景
はじめに
1.近代化論の周辺
2.近代化の背景―成長の限界と世界経済危機
3.近代化の背景―市場の質
4.近代化の世論
おわりに
第2章 近代化の経済政策
はじめに
1.長期経済政策「近代化」の推移
2.近代化政策の内容
3.プーチンの大統領綱領と経済政策
4.プーチンは経済を近代化するのか
おわりに
第3章 第二次プーチン政権下のロシア政治
はじめに
1.ロシアの「不正」選挙報道
2.ロシアにおける無届集会・デモに対する罰金の引き上げ
3.連邦構成主体首長公選制の復活
おわりに
第4章 近代化とロシア外交
はじめに
1.文書に見る近代化と外交
2.事例
おわりに
第5章 ロシアにおける近代化政策と地域経済
はじめに
1.近代化と地域経済発展のビジョン―ロシアの地域政策
2.経済危機下の地域経済とその構造的問題
3.危機から近代化へ―地域における取り組み
4.地域経済の近代化と連邦・地方財政
おわりに
補論 ロシア版シリコンバレー「スコルコヴォ」計画
第6章 ロシアの近代化―制度の罠と文明化への道―
1.近代化への道にひそむ3つの罠
2.文明化の新たな方向性の出現
3.ロシアが選ぶべき道
第(II)部 産業と環境
第7章 近代化がロシア経済の構造変化に及ぼす影響
はじめに
1.市場経済への移行と経済構造の変化
2.成長期における経済構造の変化
3.2000年代の構造改革政策と産業政策―総括と教訓
4.ロシア経済の近代化と構造改革についての予想されうるシナリオ
おわりに
第8章 ロシアにおける航空機産業の近代化とグローバル化
はじめに
1.ロシアの航空機産業
2.グローバル化時代における航空機産業の構造変化
3.ロシアの航空機産業育成政策とグローバル化
おわりに
第9章 ロシアの自動車産業の近代化
はじめに
1.近代化の最初の試み
2.工業アセンブリ措置
3.近代化に向けた新たな試み―新工業アセンブリ措置
4.新工業アセンブリ措置に基づき実施されるプロジェクト
5.結びにかえて―新工業アセンブリ措置を軸にした近代化は成功するのか
第10章 ロシアにおける石油・天然ガス開発の現状と展望
はじめに
1.ロシアの石油の埋蔵量と生産量
2.ロシアの天然ガスの埋蔵量と生産量
おわりに
第11章 福島第一原発事故後のロシアの原子力エネルギー政策―原子力安全、国内エネルギー供給、対外戦略―はじめに
1.ロシアの原子力発電設備の安全性
2.国内の原子力発電政策への影響
3.原子力エネルギーをめぐる対外関係
おわりに
第12章 低炭素社会ロシアへの展望―環境面から見たロシア経済近代化の成果と課題―
はじめに
1.急速に成長する「低炭素経済セクター」
2.低炭素社会への移行に向けたインフラの「造り替え」
3.低炭素経済化へ向けたロシアの選択
4.おわりに―メドベージェフ政権下で何が変わったのか
終章 近代化を超えて―持続可能なロシア社会のために
1.変わるロシア、変わらぬロシア
2.近代化の行方
3.結びにかえて
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