阪神・淡路大震災と東日本大震災を教訓に、地理学的な視点から内外の災害についてアプローチした立命館大学地理学教室の共同成果。歴史的災害の復原、復旧・復興とまちづくり、地理学の新しい展開など、多面的に考察する。
はしがき（吉越昭久）
I
歴史的にみる
１．鴨川を越えた大火─建長元年三月二十三日の火災─（片平博文）
２．環境史からみた東北地方・太平洋沖地震の津波被害（高橋 学）
II 阪神・淡路大震災と東日本大震災
３．大規模災害と人文地理学─阪神・淡路大震災と東日本大震災を事例として─（生田真人）
４．阪神・淡路大震災の復旧・復興過程から「まちづくり」を考える─神戸市都心部におけるオフィスビルの立地変化を通じて─（古賀慎二）
III 日本と海外の事例
５．都市水害と建造環境の改変─戦後那覇におけるガーブ川「水上店舗」をめぐって─（加藤政洋）
６．台湾原住民族原郷におけるツーリズムと自然災害─黄昏の仁愛郷廬山温泉をめぐって─（藤巻正己）
７．アイルランド共和国・County Corkにおける大飢饉のfolk memory─1845～1939─（河島一仁）
８．カナダ・ロジャーズ峠における雪崩事故と日本人労働者─忘れられたカナダ日本人移民史─（河原典史）
IV 新しい展開
９．東日本大震災の復興に向けてのジオデザインの適用─福島県相馬市を対象としたワークショップの事例─（矢野桂司）
10．地理情報システムによる東日本大震災の文化財被災地図─震災による文化財被災リスク分布の把握に向けて─（中谷友樹）
11．災害発生を想定した歴史的景観の復興に関する経済評価─文化遺産の事前復興の視点から─（村中亮夫）
12．ミクロな地理スケールでの地震被害想定シミュレーションの可能性（花岡和聖）
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