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朝日吉太郎 編著
A5判並製 344ページ
定価:本体2700円+税
ISBN978-4-89259-753-4 |
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欧州・ユーロは、はたして危機なのか? ユーロの導入以降今日に至るヨーロッパの経済・社会情勢を、資本の国際化と蓄積条件の新たなステージの形成過程として位置づけ、その過渡的・発展的性格と特徴を明らかにする日独研究者の共同成果。
はしがき
序 章
はじめに
第1節 ヨーロッパの統合は危機論を横目に進む─欧州グローバル化の新ステージ─
第2節 ユーロ危機論・ヨーロッパ危機論の方法批判
おわりに
第1章 ユーロシステムの生命力と矛盾─2002年〜2014年─
はじめに
第1節 為替調整、為替リスクなき共通通貨圏としてのユーロ圏の創出
第2節 不均衡の長期間の持続を可能にするTARGET2、そこへの矛盾の累積と爆発の可能性
第3節 不均衡の常態化─特別剰余価値の循環システム─
第4節 ユーロ圏資本の新たな活動のステージとしてのユーロシステム
第2章 「財政同盟」にみるEU改革の現段階
はじめに
第1節 「ユーロ危機」と経済通貨同盟の課題
第2節 「ユーロ危機」を原動力とした財政統合の深化
第3節 「財政同盟」とEUの将来像をめぐって
おわりに
第3章 自助、自己管理および結社民主主義
─協同組合的企業の企業統治について─
第1節 協同組合理念の復興
第2節 協同組合の原則
第3節 協同組合の団体監査
第4節 小規模協同組合設立要件の緩和
第4章 目下の危機におけるEUおよびドイツの雇用と労働市場
第1節 国民経済の体系における雇用の機能
第2節 雇用の需要に対する基盤としての総生産
第3節 雇用、労働市場および労働市場政策
第4節 EUの潜在労働力とその利用
第5節 結論と展望
第5章 ドイツ財界のグローバル化戦略とリーマンショック下の「雇用の奇跡」
はじめに
第1節 ドイツ財界の戦後労使関係の改編に向けた21世紀戦略
第2節 グローバル化の新ステージと21世紀初頭のドイツ財界の攻勢
第3節 アジェンダ2010・ハルツ改革効果への疑念と「雇用の奇跡」の実態
おわりに
第6章 転機に立つフランス経済と雇用・移民・外国人労働者問題
─分裂するフランス社会にどう立ちむかうか─
はじめに
第1節 高止まりする失業率と排斥される移民・外国人労働者
第2節 フランス経済の構造転換の必要性と雇用
おわりに
第7章 EU統合下の経済グローバル化とスウェーデン・モデルの変容
はじめに
第1節 1990年代以降の貿易構造の変化と多国籍企業化の進展
第2節 経済グローバル化とスウェーデンの労使関係の変化
第3節 2000年代の労働市場・雇用の推移と労使関係
第4節 高い失業率を内包するスウェーデン・モデルへの変容
おわりに
第8章 ドイツのエネルギーシフトの道のりと今後の展望
─脱原発と再エネ推進をめぐる攻防─
はじめに
第1節 EU のエネルギー市場統合と競争促進政策
第2節 EU電力指令に対するドイツ政府の対応と電力資本
第3節 ドイツの電力需給・電力輸出入と再生可能エネルギー
第4節 ドイツの脱原発と再エネ推進をめぐる攻防
おわりに
第9章 ドイツ経済のグリーン化とEU環境規制の新展開
─環境保全と経済発展はいかに両立しうるか
はじめに
第1節 資本主義と公害・環境規制
第2節 ドイツ経済のグリーン化による国際競争力の強化
第3節 資本蓄積の手段としてのEU環境規制の新展開
おわりに
第10章 ムスリム移民の統合をめぐる議論
─その正当性と今後の展望
はじめに
第1節 近年のムスリム移民統合論争の経緯
第2節 イスラムは統合の妨げか─面談調査の結果
第3節 今後の展望
第11章 EU加盟をめざすモダンイスラム・トルコの挑戦と苦悩
─EUは民族・国家・宗教を超える新しい「価値の共同体」となれるか
はじめに
第1節 なぜ、トルコは、EU加盟をめざしてきたのか
─トルコがEU加盟をめざす原動力・推進力とその担い手─
第2節 EU加盟推進は、どのようにしてトルコの経済成長を実現したのか
─トルコの民主化と経済成長との相互作用がもたらすダイナミズム
第3節 なぜ、多くの国がトルコのEU加盟に反対するのか
おわりに
あとがき
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