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豊福裕二 編著
A5判並製 324ページ
価格:本体2700円+税
ISBN978-4-89259-754-1
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「新自由主義」的諸改革のもとで大きく変容した現代資本主義経済の諸特徴を、資本の運動法則を通して分析するとともに、今日、日本社会に生じているさまざまな問題が、資本の今日的な運動とどのように結びついているのかを明らかにする。
はじめに
序章 現代資本主義の特徴と日本社会(豊福裕二)
はじめに
1. 現代資本主義をみる視点
2. 戦後資本主義の発展と資本蓄積
3. 現代資本主義と資本蓄積
4. 現代資本主義と国民経済
第1部 資本の運動の現代的特徴
第1章 21世紀日本製造業の大企業と中小企業(田中幹大)
はじめに
1.大企業の生産体制の歴史的経過
2.大企業の生産体制の現段階
3.大企業と中小企業、地域経済との利害の不一致
4.大企業の生産拡大の波及効果(トリクルダウン)は望めない
第2章 自動車産業のグローバル化とトヨタ生産方式の相対化(杉田宗聴)
はじめに
1.トヨタ生産方式のイノベーションと日本固有の条件
2.自動車産業のグローバル化とトヨタの対応
3.グローバル展開の下でのトヨタ生産方式
4.モジュール化とトヨタ生産方式
おわりに
第3章 なぜ製造業企業はサービス活動に注力するのか(森原康仁)
はじめに
1.「高付加価値活動」の一環としてのサービス
2.サービス化するアメリカIT産業
3.なぜサービス化が追求されるのか
おわりに
第4章 アメリカ航空産業の規制緩和とグローバル化(松本俊哉)
はじめに
1.規制緩和による産業再編
2.オープンスカイ政策とグローバル競争
3.国内基盤の再編
4.アメリカ航空規制緩和にみる資本と国家
第5章 デフレ下における日本の流通の特徴(宮武衷ォ)
はじめに
1.消費動向と流通構造の変化
2.日本の小売企業の特質(1)総合業態
3.日本の小売企業の特質(2)専門業態
おわりに
第6章 新自由主義と現代会計(新祖隆志郎)
はじめに
1.現実資本の蓄積鈍化と擬制資本市場の膨張
2.新自由主義と現代会計の制度・計算構造
3.現代会計が抱える限界
おわりに
第7章 環境問題に直面する現代資本主義(野口義直)
はじめに
1.環境問題と人類の経済活動
2.資本主義は環境問題を激化させる
3.環境問題に直面する現代資本主義
第2部 現代資本主義と日本社会
第8章 ブラック企業はなぜ生まれたのか?(伊藤大一)
はじめに
1.裁判になったブラック企業
2.従来の過労死問題とブラック企業の相違
3.21世紀におけるブラック企業成立の諸条件
おわりに
第9章 日本における外国人労働者 ―ニューカマーの25年―(植木洋)
はじめに
1.外国人労働者の概要
2.入国管理制度とその改定
3.外国人労働者の働き方
おわりに
第10章 不安定化する世界農産物市場と日本の農業・食料(藤本晴久)
はじめに
1.変貌する世界農産物市場
2.農業・食料市場をめぐる新しい経済関係
3.岐路に立つ日本の農業・食料
第11章 地域間格差の拡大と財政(霜田博史)
はじめに
1.日本の地域間格差の現状と地方行財政
2. 1990年代以降の地方分権改革と行財政改革による地方自治体への影響
3.地域経済、地域社会を支える地方行財政の意義
おわりに
第12章 グローバル化と税制改革(篠田剛)
はじめに
1.資本蓄積のグローバル化と世界の税制改革の潮流
2.税制改革にみる日本の特殊性
3.グローバル化と租税負担をめぐる攻防
第13章 労働市場と労使関係の「スウェーデン・モデル」(岸田未来)
はじめに
1.スウェーデンの労働市場と労使関係の特徴
2.新たな労使交渉システムの確立とその背景
3.2000年代の資本のグローバル展開と「スウェーデン・モデル」
4.現代資本主義の一形態としての「スウェーデン・モデル」
第14章 共同性の復権 ─歴史における共同体と市場─(堀内義隆)
はじめに
1.共同体の歴史的意義
2.伝統的共同体と資本主義
3.資本主義社会における共同性
おわりに─共同性の再構築に向けて
補論1 資本主義社会の運動原理
補論2 現実資本の蓄積と貨幣資本の蓄積
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