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立命館大学地理学教室 編
A5判並製 336ページ
定価:本体3200円+税
ISBN978-4-89259-762-6 |
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コンテンツツーリズムの登場や外国人観光客の増加により、いままた観光が注目を集めている。観光の歴史的変遷、観光産業の分析、新たなツーリズムの批判的検討など、地理学からアプローチした観光研究の最前線。
はしがき─『観光の地理学』の刊行にあたって─
I ツーリズムへの接近
1 人文・社会科学における「観光論的転回」生成的なディシプリンへの呼びかけ─(遠藤英樹)
I はじめに
II 人文・社会科学における観光研究の流れ─真正性に関する研究を中心に
III the social as tourism
IV むすびにかえて─人文・社会科学の「観光論的転回」へ
2 地域観光学における地域の概念について─地域政策論の視点から─(生田真人)
I はじめに
II 地域の概念と地域間の競争
III 先進国の地域観光と政策
IV 日本の地域観光政策
V アジアの地域経済と観光
VI おわりに
II 観光を捉える
3 GISベースの観光産業関連統計の活用に関する試論─京都市の経済センサスを中心に─(矢野桂司)
I はじめに
II 経済センサスの中の観光産業と事業所の特定
III 経済センサスからみた京都市の観光産業の実態
IV 京都市の観光産業の空間的分布
V おわりに
4 外国人旅行者の行動空間に関する地理的可視化─京都市を対象としたTwitterおよびGPS調査資料の解析─(中谷友樹)
I 序論
II 観光統計から得られる外国人旅行者の空間的特性
III Twitter を利用した外国人旅行者の時間帯別分布
IV GPSデータを利用した外国人旅行者の移動と空間利用
V 結論
III 観光の歴史性
5 平安京と賀茂祭の風景─路頭の賑わい─(片平博文)
I 平安京と人々の集まる空間の形成
II 賀茂社と賀茂祭
III 賀茂祭行列の道筋─具体的なルートの復原
IV 下社から上社への道筋
V 上社から斎院へ─斎王還御の路
VI 賀茂祭の道筋─移動経路の持つ意味
6 高雄のモミジと醍醐のサクラ─環境史から観た京都の観光─(高橋 学)
I はじめに
II 観光シーズンと植生景観
III 大原女とエネルギー革命
IV 紅葉狩りをする人々
V 絵図でみる京都盆地周辺の里山化
VI 奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の
VII 願わくは桜のもとにて春死なむ
VIII 秀吉の醍醐の花見
IX おわりに
7 入洛者の〈まなざし〉と京都イメージ(加藤政洋)
I はじめに─東山ダンスホールの安吾
II 江戸人・東京人の見た京都
III 京都イメージとしての花街
IV 「夜毎に変る枕の数々」─谷崎潤一郎の滞洛
V 京都イメージとしての舞妓
8 わかさ美浜町におけるレクリエーションの変容─海水浴から郷土食を活かした地域振興へ─(河原典史)
I はじめに─海のレクリエーションの変化
II 近代における海水浴客の受容
III 民宿観光地の盛衰
IV 郷土食「へしこ」と女性
V 地域振興を考える─おわりにかえて
9 19世紀アイルランドにおける海浜リゾート地の形成─Bangorの場合─(河島一仁)
I はじめに
II 問題の所在
III 方法と資料
IV 1830年代におけるBangorの集落景観
V 1860年代におけるBangorの交通と商業
VI BelfastとBangor─むすびにかえて
IV 新しいツーリズム
10 ツーリズムにおける交通─道中の消失と発見─(井上 学)
I はじめに
II 近代における社寺参拝と鉄道の建設
III アンノン族が発見した日本
IV 道中の発見と鉄道の観光商品化
V むすびにかえて─マップ作成における地理学の役割
11 現代日本におけるキリスト教関連施設の分布状況と観光地化の可能性に関する試論─国指定文化財の登録状況を指標として─(麻生 将)
I はじめに
II 日本のキリスト教の歴史と地域的展開
III 国指定文化財の登録と分布状況
IV キリスト教関連施設の観光地化の可能性
V おわりに
12 海外孤児院ボランティアツアー参加者の経験と開発途上国に対する印象に関する考察(薬師寺浩之)
I はじめに
II 研究方法
III 海外孤児院ボランティアツアー参加者の経験と開発途上国に対する印象
IV おわりに
13 遺産観光ブームに沸くマラッカのツーリズムスケープ瞥見─過熱する観光開発・大衆観光地化・テーマパーク化─(藤巻正己)
I はじめに
II 世界文化遺産「マラッカとジョージタウン、マラッカ海峡の歴史都市」
III マラッカの歴史遺産地区
IV 大衆観光地化・テーマパーク化するマラッカ
V 過熱する観光開発・振興政策
あとがき
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