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高橋昌明 著
A5判 370ページ
2015年7月刊
定価:本体5700円+税
ISBN:
978-4-89259-767-1
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平安京・京都研究叢書シリーズ 第3巻
京都の歴史は、平安京をいかに克服するかのプロセスであった。権力的・強行的に建設された平安京が、都市住民の生活の場へと大きな変貌・脱皮を遂げていった過程を、災害・環境問題にも目を配り、リアルに描き出す。
序
第一部 平安京から京都へ
第一章 洛中洛外図が描かれるとき
一、上杉本の風景
二、上京・下京
三、花の都と武
補論一 京・下京辺り──先住者の権利と旧屋の翁
第二章 羅城門の兜跋毘沙門天
はじめに
一、安西城毘沙門説話
二、護国経典説話の展開としての『毘沙門儀軌』
三、安西城毘沙門説話の日本への紹介者
四、鞍馬寺、毘沙門の寺として再出発
第三章 よごれの中の京都
一、いたむ溝、つまる溝
二、平安京のスカトロジー
三、水害・疫害都市平安京
四、世界一清潔な都市にむかって
補論二 異界との接点、戻橋
補論三 蔵・火事・瓦屋根
第四章 養和の飢饉、元暦の地震と鴨長明
はじめに
一、養和の大飢饉
二、内乱と荘園公領制
三、「当院近々有りて亡きが如し」
四、元暦二年の大地震について
第五章 日本史学者の見た元暦二年七月京都地震について
はじめに
一、法勝寺を中心とする地震被害について
二、地震規模の理解についての感想
三、建物の強度から考える
四、その他
第六章 大内裏の変貌──平安末から鎌倉中期まで
一、はじめに
二、大極殿の再建
三、大内の推移
四、太政官庁と即位儀・大嘗会
五、太政官庁でのその他の儀式
六、神祇官・真言院などの儀式・法会
七、むすびにかえて──朱雀門と宮大垣
第二部 武家と京都
第七章 平重盛の小松殿と小松谷
はじめに
一、重盛小松殿の位置
二、法然の小松殿
三、法然遺址再興としての正林寺
四、京内小松殿について
五、もう一つの小松殿──忠実と重盛
補論四 梅小路公園は平家の西八条邸跡
第八章 平家都落ちの諸相
はじめに
一、都落ちの経過
二、平家一門の動向
三、平家一門への処分について
四、寿永の践祚
むすびにかえて
第九章 六孫王神社は源経基邸を起源とするか?
一、人をミスリードする史跡
二、平家西八条殿の跡地はどうなったか
三、六孫王神社はいつ成立したか
第一〇章 西国地頭と王朝貴族──安芸国沼田荘地頭小早川氏の場合
はじめに
一、塩入荒野開発申請と将軍頼経・西園寺公経
二、京都における小早川氏
三、茂平の上司職獲得と沼田荘支配の進展
四、上司職獲得の背後で
第一一章 六波羅探題の滅亡と番場宿
一、得宗専制と高氏の挙兵
二、六波羅勢の滅亡
三、蓮華寺過去帳の顔ぶれが語るもの
四、過去帳の成立と切腹
第三部 京都周辺の諸相
第一二章 下級官人調子氏の中世
はじめに
一、随身下毛野氏について
二、鎌倉時代の下毛野氏
三、中世後期の調子氏
四、懸命の所領支配
補論五 大山崎というところ
補論六 乙訓の竹
補論七 中世乙訓の鐘の音
第一三章 大納言の信楽六〇日
第一四章 中世の若狭街道と関所
一、二つの若狭街道
二、若狭街道の関所
三、保坂関について
四、関銭収入の実態
余 論
日本前近代首都論の構築のために
はじめに
一、首都と副都
二、首都の象徴性
三、首都と文化
あとがき
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