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人間を生きるということ 立命館大学人文学企画叢書 07

 
 

人間を生きるということ

鳶野克己 編

A5判並製 214ページ
定価:本体2500円+税
ISBN978-4-89259-787-9

 

【サブタイトル】 「体験」の教育人間学に向けて

教育を人間から、人間を教育から、循環的に考察する「教育人間学」の最新の研究成果。生きるとは、死ぬとは、生涯を歩むとは一体どういうことなのか。「生きるという体験」を根底から見つめ直し、その核心に迫る論考集。

序 論 体験をめぐる教育人間学の試み(鳶野克己)
 教育人間学の興亡と新たな光芒
 生きるという体験への驚きと問い
 それぞれの体験を読み解くという体験
 体験への問いを生きる学問へ

第一章 内なる促し・体験・把捉・自証―体験的教育人間学の方法を求めて    (福原浩之)
 一 はじめに
 二 斎藤・林の新しい教育人間学の構想
 三 新たな方法を求めて
 四 主体的な探究
 五 内なる促し
 六 体験
 七 把捉
 八 自証
 九 おわりに

第二章 教育現場に立脚した臨床教育学の展開―実践教育学と主体形成
   (春日井敏之)
 一 当事者としての主体性へのこだわり
 二 臨床教育学の創生―研究の対象・方法・内容―
 三 臨床教育学への問い―実践教育学を一つの母体に―
 四 臨床教育学創生期の教育現場と教師
 五 当事者としての主体形成の原点

第三章 鏡の世界体験(山本昌輝)
 はじめに
 一 沖縄体験
 二 沖縄研究
 三 鏡
 四 沖縄での鏡体験
 五 鏡体験
 六 内なる鏡
 おわりに

第四章 蛇女房は何故わが子を棄てたのか―「母子離別」モチーフの歴史的背    景と教育人間学的意味(鵜野祐介)
 はじめに 
 一 モチーフ構成と全国の類話
 二 伝播の担い手としての勧進聖・鋳掛屋・座頭・瞽女
 三 自然災害の発生由来譚と「母子離別」モチーフ
 四 前代社会における母子関係
 五 「母子離別」モチーフの教育人間学的意味
 おわりに―蛇女房は何故わが子を棄てたのか―

第五章 「信頼感覚」の形成における心身相関的アプローチの可能性
   (加納友子)
 一 はじめに
 二 心身相関的教育プログラムの検討
 三 プログラムの実践による心身の変容プロセス
 四 総合考察

第六章 私的支援観(原 幸一)
 一 教育と適応について
 二 淘汰圧としての教育
 三 多様性の受容としての自閉症スペクトラムを持つ方たちへの支援
 四 自閉症の方が示す諸特徴についての理解と誤解
 五 差異を認める作業

第七章 「かけがえがない」とはどういうことか―「別離」の教育人間学試論    (鳶野克己)
 一 生きることにおける別れの側へ
 二 いのちの有限性と「かかわり」への眼差し
 三 「かかわり」の「かけがえのなさ」
 四 「目の前のかけがえがないあなた」の偶然性
 五 「かけがえのなさ」と「かなしみ」
 六 教育における「別離」の問題 
 七 「別離を生きること」を学ぶ

ややながいあとがき
執筆者紹介