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末崎 栄司 著
A5判上製 335ページ
定価:2500円+税
ISBN978-4-89259-823-4
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アメリカ社会福祉の影響を受け広まった社会福祉理論の超歴史的・技術主義的傾向を批判し、「社会」と「歴史」を重視する社会科学的研究方法により、社会福祉という学問の固有性・独自性を明らかにする。
第1章 社会福祉研究における認識視点の相違
1.社会福祉研究のはじまり
2.社会福祉研究の新しい動き
3.社会福祉研究における混乱状況の原因
4.社会福祉における研究視点の相違
5.社会福祉研究の道筋
第2章 社会福祉における人間の社会的規定性の前提条件
1.社会福祉と人間労働の生産・再生産
2.社会福祉と剰余価値の関係性
3.社会福祉における人間の労働と生活の関係性
4.社会福祉における人間と生活破壊化法則の関係性
5.資本主義社会における物財と人間との関係性
6.社会福祉における社会科学的視点の真髄
7.社会福祉における人間の人間性を分析する理由
第3章 社会福祉における社会的規定性に制約づけられた人間
1.社会的人間がつくり出すもの
2.社会福祉における人間の生きた生活実践
3.社会福祉の中の人間と社会
4.生産関係(社会)を作り変える社会的人間の力
5.社会福祉が取り扱う社会的人間の生きざま
6.社会福祉の中に描かれた社会科学的な人間
7.人間性を取りもどす社会福祉における社会科学的視点
8.社会福祉における人間の人間性を踏みにじる原因
9.社会科学的視点にもとづく社会福祉研究の出発点
第4章 社会福祉における歴史的規定性の中の前近代社会的人間
1.我々の社会生活を規定するもの
2.前近代社会における人間の姿
3.前近代社会における人間の生活維持機能
4.イギリスにおける近代社会への道
5.社会福祉における近代社会の到来
第5章 社会福祉における歴史的規定性の中の近代社会的人間
1.社会福祉における近代社会的人間の形式的特徴
2.社会福祉における近代社会的人間の本質的特徴
3.「新救貧法」の登場
4.「新救貧法」を支えた経済理論
第6章 社会福祉の中の人間とそれに付随する実践性・主体性・客観性の分析
1.社会福祉における対象化された現実的な生
2.社会福祉の実践を規定づけるもの
3.社会福祉における実践の捉え方の混乱状況
4.社会福祉における実践の基盤
5.社会科学的認識に導かれた社会福祉のあり方
6.社会福祉における主体的なものの捉え方の現況
7.社会福祉における社会科学的認識にもとづく主体性と客観的認識との関係性
8.社会福祉における社会科学的認識にもとづく価値観・世界観
9.社会福祉における社会科学的認識にもとづく主体性・人間性
10.社会福祉における主体性の核心部分
第7章 社会福祉研究における本質解明への糸口
1.近代社会的人間の新しい生き方
2.資本主義制度の性格的特徴
3.資本主義制度の特定な歴史的法則(社会=経済法則)
第8章 日本における慈善的救済から社会福祉の成立へ
1.明治期の救済活動
2.社会事業の登場
3.社会事業から厚生事業への改名
4.第二次世界大戦後の民主化と社会福祉の成立
5.社会福祉(政策)の登場
第9章 社会福祉研究に不可欠な中核的支柱
1.社会福祉(政策)の本質的な目的
2.アメリカ社会福祉の一般的特色
3.アメリカ社会福祉の影響
4.我が国における技術主義的傾向の問題点
5.社会福祉における本質解明の道標
6.社会福祉と慈善事業の相違
第10章 社会福祉研究を根底で支えるもの
1.社会福祉における本質と現象の関係性
2.社会福祉援助技術論における構造的な規定性
3.社会福祉援助技術の方向性を解きほぐす糸口
第11章 社会福祉の出現過程と民主主義
1.形式的な民主主義
2.民主主義思想の浸透
3.我が国の民主化
4.基本的人権の保障
5.社会権の獲得
6.社会福祉を受けるための前提的条件
7.社会福祉における対象(者)の広がり
第12章 社会福祉(政策)における代位的・補完的性格の今日的意義
1.「社会政策」概念の歴史的伝統
2.社会政策の存在意義
3.社会政策の限界性
4.社会福祉(政策)の補完的性格
5.社会福祉(政策)の代位性
6.補完的性格と代位的性格の歴史と現実
7.社会政策と社会福祉(政策)との両性的性格
8.格下げ(論)についての誤認
9.補完的(補充的)性格への批判
10.本質的対象としての国民大衆(労働者)
11.客観的科学的認識と主観的評価
12.社会政策の拡大化への疑問
13.人間労働と生産関係(社会関係)
14.生産関係の対立的矛盾関係
第13章 社会福祉における家族機能への補充的役割の吟味
1.家族機能がもつ補充性・代替性への疑問
2.『日本型福祉社会(論)』の内容
3.『日本型福祉社会(論)』に先立った1970年代の三つの「経済社会計画」
4.『日本型福祉社会(論)』と福祉国家の歪
第14章 社会福祉の構成要素
1.本質に接近するための唯一の研究方法
2.社会福祉が取り扱う客体としての問題の構造的認識
3.客体としての問題(課題)の発生原因
4.客体としての対象課題の構造的分析
5.資本主義社会の成熟化とその矛盾の激化
6.対象課題の表面化とその構造
7.社会科学的研究方法のもう一つの任務
8.賃金労働者(国民大衆)への保護形態
9.現代資本主義下における自助原則の補修
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