現代世界の平和を脅かすものは何か? 「欧米中心主義的近代の終焉」「他者による自己変容」をキーワードに、韓国・台湾・アフリカ・イスラムからの視点も含め、宗教・政治・歴史認識・教育・文学などを総合的に論じる。
巻頭言 浄土は人間回復の根源 ―無明の闇を破する用き― (山崎龍明)
特集 欧米中心主義的近代の終焉と宗教の役割
「日本問題」の歴史的再検討 ―批判的な文明戦略論の観点から― (板垣雄三)
イスラームにおける贈与とワクフ (櫻井秀子)
平和はどのように成り立つのか ―減暴力と平和構築― (李贊洙)
ヨーロッパ中心の近代化に対する批判的省察と強弱進化文明社会への転換
―少太山の思想を中心に― (朴光洙)
東学農民革命のリーダー 全?保準の平和思想 (朴孟洙)
開闢と近代 ―東学の「サリム思想」を中心に― (趙晟桓)
ヨーロッパ中心主義から相互依存の道へ (馮品佳)
仏教における超越 ―横超に焦点をあてて― (北畠知量)
欧米中心主義的近代の終焉と宗教の役割
―韓国思想紀行:群山東国寺から非暴力平和の近代を考える― (北島義信)
冷戦の記憶 ―タシュ・アウの『見えざる世界の地図』を論ずる― (李有成)
日中戦争と五味川純平 (新船海三郎)
鼎談
日韓霊性開新鼎談 ―その1― (金 泰 昌・北島義信・山本恭司)
文化・社会
アミナータ (フランシス・インブーガ)
51年後の今日でさえ、『ウフルはまだだ』 (G.C.ムアンギ)
私の「人間学」授業ノート (渡辺 淳)
研究論文
野村芳兵衛の教育観における浄土真宗の信仰について (北島信子)
「リーラー」とは、「見返りを求めることなく楽しんでなされる神の民衆救済活動」という意味のサンスクリット語で、中国語では「遊」と訳されている。この語は、親鸞の『正信偈』の「遊煩悩林現神通」にもみることができる。 |