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中西喜久司著
四六判 280ページ
定価:本体2200円+税
ISBN978-4-89259-853-1
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40万人の障害者が不妊手術を強制された「断種法」、重度障害者30万人以上が犠牲となった「安楽死」政策=「T4作戦」。その根底に横たわるナチス・ドイツの優生思想を本邦初資料をもとに検証、糾弾する。
はじめに
1 ハーケンクロイツの旗のもとに――嵐の十二年
1 歴史の検証
2 第三帝国とナチズム
3 ニュルンベルク法
4 強制不妊手術
5 反ユダヤ主義、強制連行、「安楽死」
6 身体障害者でなくとも
7 政敵排除の口実にも
8 平和こそ理性と良識のあかし
9 すすむ障害者運動
2 ドキュメンタリー
1 国民経済学でなく国民生物学
2 積極的に協力したろう学校の校長
3 吹き荒れるパージ、転向、粛清
4 荒れ狂う強制的同質化
5 家族には絶対に知らすな
6 結婚は認められず、ニュルンベルク法による結婚適格証明拒否
7 母はわたしにこう語った
8 剔出胎児女児、身長四二センチ、裏で驚くべき人種栽培計画
9 無視すれば警察権力で…
10 「お国のためには断種うけよ」全国ろう者大会で演説した役員
3 聴覚障害者は抵抗する
1 秘密警察は昼夜をわかたず
2 健聴の五人の子どもも断種
3 ユダヤ人との友誼を守ってスポーツ協会より除名
4 ベルリンオリンピックの裏で
5 「指導者」はナチスだった
6 被告もナチスならば裁判官もナチス
4 最終的解決――狂気のドイツ
1 アウシュヴィッツに消えたレオン
2 狂気が狂気をよぶ終末ドイツ
3 レオン収容の暗示するもの――テレジェンシュタット
4 世論あざむく「ポチョムキン村」
5 強制収容所の文学と芸術
1 盲人と肢体障害者の友情
2 アウシュヴィッツに戦って死んだ聴覚障害幼児
3 わが芸術はナチス告発
6 精神障害と「安楽死」
1 心身障害者の「夜と霧」
2 醒めたる狂気――ワグナー音楽とナチス
3 移送先はつまびらかにしません
4 深い悲しみをもってご通告申し上げます
5 T4計画はかくおこなわれた
7 日本への反響、川本宇之介と藤井東洋男
8 「安楽死」と医学実験
1 肺結核によって死亡されました
2 ナチス版「悪魔の飽食」
3 大量断種と生体実験
4 殺人鬼ども任務配置につけ――T4から14F13へ
5 チャーチル首相の犯罪の真相は
6 司法大臣はあわてたが、ドイツ国民は知っていた
9 ドイツ抵抗運動と「安楽死」
1 ミュンスター司教は訴える
2 ガーレン伯「死刑執行人」と対決
3 「ドイツ聴力障害新聞」から
4 白バラ抵抗運動の学生
5 福祉と発達と国家のあり方を模索
6 すでにみなぎっていた反ナチ気分
10 ニュルンベルク裁判
1 被害認定と年金保障
2 内相フリックの罪重く
3 「ホスバッハ議事録」採択の意味
4 勝者が敗者を裁いた
11 追及、犯罪人の戦後史
1 L・コンティ自殺す
2 ニュルンベルク法のお膳立て――戦後は内閣の官房長官
3 激化する東西冷戦の構図
4 拮抗する進歩と反動
5 対決、鬼検事対マルチン・ボルマン
6 ザワーデことハイデ教授
7 猶予、延期に国家年金まで
8 世紀の汚点――カールスルーエ(西ドイツ最高裁)判決
9 戦後半世紀、いま障害者運動は
12 ナチスと南米・ネオファシズム
1 社会主義政権も歯がたたず
2 フーダル司教の地下鉄道は南米に
3 Uボート浮上せよ――ペロン夫妻とボルマンの取引
4 そこだ、そこが危ないのだ!
13 自由の天地にあっても
1 アメリカ合衆国に見る断種と「安楽死」の問題
2 断種は合憲である
14 ドイツの少年少女たちは学ぶ
1 メンデルスゾーンの碑銘に学ぶ
2 「水晶の夜」に学ぶ
3 アンネ・フランク、生きる者への警告
15 エピローグ
1 奇跡の生存者
2 平和を人権を
あとがき
参考資料・引用文献
改題復刊にあたって
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