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芦田丈司 著
四六判上製 316ページ
定価 2,500円+税
ISBN978-4-89259-854-8
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京都府初の社会主義者といわれる岩崎革也。代々酒造業を営み須知銀行を継いだ彼がいかにして幸徳秋水・堺利彦ら社会主義者たちとの交流を深めていったのか。残された書簡や日記から丹念に掘り起こした貴重な社会運動史。
第一章 岩崎革也 青少年時代の思想的環境
一 全寮制発蒙館で学ぶ
1 発蒙館の塾長 井上半介
2 井上半介は漢学から自由民権やキリスト教へ
3 岩崎革也と陽明学
4 革也の社会主義に近づく思想的背景
二 自由民権運動の指導者 前田英吉
1 岩崎家に近かった前田英吉の存在
2 キリスト教徒として生きた前田英吉
3 田畑を売却する前田英吉
4 京都府議会議員としての活動
5 大阪、続いて札幌に移住
三 社会主義に近づく岩崎革也
1 岩崎革也 東京に子女を入学させる
2 明治三六年 秋水や堺利彦らと交流始まる
3 秋水や堺と似た学習体験
第二章 書簡で見る社会主義者たちとの交流
一 幸徳秋水と岩崎革也との交流
はじめに
1 平民社に二百円の支援
2 日刊『平民新聞』発行に向け、七百円を寄附
3 週刊『平民新聞』廃刊され『直言』発行
4 秋水二幅を革也に贈る
5 秋水入獄中、妻千代子が書簡送付
6 秋水米国行旅費を革也に要請
7 米国からの革也宛秋水書簡
8 革也の病状を気にかける秋水書簡
9 秋水ら日刊『平民新聞』を発刊
10 革也の結婚を祝福する
11 革也宛最後の秋水書簡
二 堺利彦と岩崎革也との交流
1 平民社を支援
2 電車賃値上反対凶徒聚集事件
3 堺の大逆事件遺族歴訪と革也
4 「ルソー誕生二百年記念講演会」を支援
5 堺は売文活動で雌伏
6 「主義の運動は下燃の策」で
7 革也、『新社会』発行に援助したか
8 『新社会』発行と堺の衆議院選挙立候補
9 兆民の絶筆 入手できず
10 大正後期から昭和初年の交友
11 堺 東京市会議員選挙立候補 最高位当選
12 堺利彦書簡非保存以後の交流記録
13 堺利彦著作を通じての交流
14 革也『日記』中の堺利彦関係記事
三 福田英子と岩崎革也との交流
1 田中正造とのかかわり
2 福田英子最初の革也宅訪問
3 革也 総選挙に立候補の意志表明
4 岩崎平造、福田英子同道谷中村に
5 福田英子二度目の革也宅訪問
6 福田英子三男千秋、革也宅訪問
7 福田英子三度目の革也宅訪問
8 福田英子の死去
四 高畠素之と岩崎革也との交流
1 高畠素之との最初の出会い
2 高畠、革也に『東北評論』発行援助依頼
3 高畠との再会
4 長女の結婚相手を高畠に依頼
5 高畠への金銭的援助
6 原因不明の革也・高畠間の断絶
五 遠藤友四郎と岩崎革也との交流
1 キリスト教から社会主義に
2 遠藤と革也 一三年間の音信不通
3 遠藤の思想的変化
4 革也は遠藤と断絶する
六 森近運平と岩崎革也との交流
1 革也 森近運平を訪問
2 革也の総選挙政策は森近関与だったか
3 監獄から届いた森近書簡
七 西川光二郎と岩崎革也との交流
1 幸徳秋水・堺利彦らと平民社で活動
2 『心懐語』で社会主義と訣別
3 晩年は侵略戦争支持に
八 上田蟻善と岩崎革也との交流
1 薬剤師の上田蟻善『へいみん』発行
2 町長不認可となった文書を上田が知らせる
3 革也 上田に資金援助
4 上田蟻善 府会・市会議員選挙に立候補
九 前田英吉と岩崎革也との交流
1 前田英吉 北海禁酒会で活動
2 理想団員としての活動
3 幸徳と堺は平民社設立、『平民新聞』発行
4 岩崎革也『平民新聞』に登場
5 前田英吉死去後は三男則三と交流
第三章 「平民社」時代と岩崎革也
一 岩崎革也と非戦思想
1 堺利彦の非戦論
2 秋水及び週刊『平民新聞』の非戦論
3 『墨子』非攻論とのかかわり
二 「原田嬢」とは誰か
1 革也と丹後峰山平民倶楽部
2 「原田嬢」は丹後の医師宅にいたか
3 革也と原田嬢との接点はあったか
三 岩崎革也の東京住所
四 堺利彦宛秋水獄中書簡と岩崎革也
1 秋水刑死日に革也の記した秋水絶句
2 秋水詩が新聞に掲載される
3 堺利彦宛秋水獄中書簡が新聞紙上に出る
4 幸徳秋水詩、他誌にも掲載される
第四章 岩崎革也の河上肇・山本宣治・斎藤隆夫・芦田均への思い
一 河上肇と岩崎革也
1 河上肇著作を多く所蔵していた革也
2 衆議院選挙後の河上肇色紙
3 在獄中の河上肇に関する革也記事
二 山本宣治と岩崎革也
1 労農党山本宣治に注目していた革也
2 山本宣治の国会での活動
3 山本宣治刺殺される
三 斎藤隆夫と岩崎革也
1 斎藤隆夫の粛軍演説
2 支那事変処理に関する質問演説
3 斎藤議員除名される
四 芦田均と岩崎革也
1 革也 芦田均著を読む
2 芦田均の衆議院議員当選まで
3 芦田均の初質問
4 岩崎革也『日記』中の芦田均講演記事
5 芦田均からの受信
あとがき |