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河野勝彦 著
四六判上製 268ページ
定価:本体2700円+税
ISBN:
978-4-89259-869-2
Cコード:C3010
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「反実在論の方向に振れた20世紀の思想の振り子は、新しい世紀に入るとともに実在論の方向へと動いた」(M・フェラーリス)。実在とは何か、この世界そして私たち人間とはいかなる存在か――この根本的な問いに答える好著。
第1章 カンタン・メイヤスーの思弁的唯物論
1 新しい実在論の動き
2 カンタン・メイヤスーの相関主義批判
3 メイヤスーの思弁的唯物論(小結)
第2章 カンタン・メイヤスーの偶然性の必然性について
――因果的必然性をどう考えるか
1 偶然性の必然性
2 ヒュームの因果性批判
3 カントの超越論的観念論による解決とその問題点
――偶然性・必然性・安定性(stabilit)をめぐって――
4 安定的な非因果的宇宙の可能性
5 超限数の存在論的な絶対化について
6 因果的必然性について
7 ハイパーカオスとしての時間と創発
8 ハイパーカオスとしての絶対的な時間とデカルトの全能の神
9 因果的必然性とカンタン・メイヤスーの思弁的唯物論
第3章 カンタン・メイヤスーにおける物自体の存在とその無矛盾性の証明
1 「物自体は存在する」をどう導くか
2 「物自体は無矛盾である」をどう導くか
3 ライプニッツの二原理との関係
第4章 因果的必然性をどう考えるか
――カンタン・メイヤスーの思弁的唯物論批判
1 ヒュームの因果性批判
2 ヒュームの因果性批判の問題点
3 因果的必然性とはなにか
4 因果的な力
5 因果性の知覚
6 因果性の観念の起原を意志的な経験に見る見方について
7 因果推論について
8 因果的必然性について
第5章 ロイ・バスカーの超越論的実在論
1 バスカーの超越論的な問い
2 人間の存在しない世界
3 思考と対象との関係:実在的世界の三領域
4 因果法則の実在論
5 実在の領域と経験・現実の領域との関係
6 科学的探究の目指すもの
第6章 マウリツィオ・フェラーリスの新実在論
1 フェラーリスのポストモダニズム批判
2 ポストモダニズムとメディア・ポピュリズム
3 ポストモダニズムの誤謬
4 ポストモダニズムと啓蒙
5 実在論への回帰とフェラーリスの新実在論
6 ドキュメンタリティの理論としての社会的存在論
7 フェラーリスの実在論
第7章 マルクス・ガブリエルの「新しい実在論」
1 新しい実在論――「意味の場の存在論」
2 なぜ世界は存在しないのか――形而上学の不可能性
3 「意味」とは何か
4 実在と現象の区分を否定
5 「新しい実在論――意味の場の存在論」をどう考えるか
第8章 グレアム・ハーマンの対象指向存在論
1 実在論についてのハーマンとメイヤスーの共通点
2 対象(オブジェクト)
3 対象(オブジェクト)の四方構造
4 フラットな存在論
5 代替因果について
6 メタファーについて
7 知識と芸術・哲学
第9章 実在論をどう考えるか
1 知覚的世界と物理的世界
2 知覚的世界と物理的世界の関係
3 知覚表象説について
4 何が実在しているのか
5 実在論と唯物論
あとがき
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