変化する消費社会に適応し、欠かせない社会インフラとして、いまや5万店を超えるコンビニは、現代日本社会とその流通過程を映し出す「鏡」でもある。様々な視点からコンビニと日本の流通問題について分析検討する。
はしがき
第1章 現代日本における流通とコンビニエンスストア
はじめに
1 現代日本におけるコンビニエンスストア
2 現代日本における流通とコンビニエンスストアの役割
3 現代日本の流通とコンビニエンスストアが直面する課題
おわりに
第2章 食品購入先としてのコンビニエンスストアの位置
―世帯構造の変化、消費支出との関連で―
はじめに
1 就業者数の増加と産業構造、世帯構造の変化
2 大規模小売店の発展
3 世帯類型別、世帯主別にみた消費支出と購入先
4 「食料」の購入先
おわりに
第3章 日本型コンビニエンスストアをめぐる垂直的関係について
はじめに
1 日本型コンビニエンスストアの垂直的協調関係
2 コンビニによる流通支配の実態
3 コンビニの垂直的パワー関係
おわりに
第4章 日本のコンビニFCの特殊性
はじめに
1 フランチャイズチェーン全体におけるコンビニFCの特殊性
2 コンビニFCの仕組み
3 フランチャイジーの変化
おわりに
第5章 コンビニ店舗を支える労働とその課題
はじめに
1 コンビニのフランチャイズ契約
2 コンビニを支える労働をめぐる論点の整理
3 論点に対する若干の考察
おわりに
第6章 コンビニエンスストアにおける食品ロス問題
はじめに
1 CVS をめぐる食品ロスの現状
2 CVS 業界における食品ロスの発生源
3 CVS による食品ロス問題への対応とその限界
おわりに
第7章 総合商社の小売進出
―ファミリーマート・ローソンを中心に―
はじめに
1 総合商社の小売進出:歴史的概観
2 総合商社のコンビニエンスストア関連ビジネスの深化
食品部門にみる総合商社のバリューチェーン戦略
おわりに
第8章 デジタル化の進展とコンビニエンスストアの対応
はじめに
1 EC の拡大と伸び悩み
2 プラットフォーム革命と小売業
3 コンビニエンスストアとデジタル化
おわりに
第9章 コンビニエンスストアの海外進出
―セブン-イレブンのインド進出の事例―
はじめに
1 コンビニエンスストアの国際化に関する論点
2 日系コンビニエンスストアの海外進出
3 インドの小売市場の概観と外資参入規制
4 セブン- イレブンのインド進出の事例
おわりに
第10章 コンビニエンスストアを捉える理論について
はじめに
1 コンビニを捉える理論
2 コンビニに関する主要学説
おわりに
第11章 デフレ経済下の低賃金とコロナ禍の影響を受けた消費生活
はじめに
1 停滞する所得
2 伸び悩む賃金
3 物価と賃金
おわりに
執筆者紹介
著者紹介:
加賀美太記(かがみ・たいき):1981年生まれ。京都大学大学院経済研究科博士後期課程修了、阪南大学流通学部教授。「格差社会の進展とマーケティングの変化」大野・佐々木・番場編著『格差社会と現代流通』同文館出版、2015年など。
佐久間英俊(さくま・ひでとし):1961年生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得中途退学、中央大学商学部教授。「マーケティング理論の再検討」流通経済研究会監修、木立真直・佐久間英俊・吉村純一編著『流通経済の動態と理論展開』同文舘出版、2017年など。
森脇丈子(もりわき・たけこ):1966年生まれ。立命館大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、流通科学大学・人間社会学部・教授。「現代的貧困と消費の変化」流通経済研究会監修、大野哲明・佐々木保幸・番場博之編著『格差社会と現代流通』同文舘出版、2015年など。
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