明治以降、ドイツ医学、アメリカ医学を範として発展してきた日本医学界の変遷をあとづけ、とくにドイツ・ベルリンに留学した医師・医学生、現地大学の医師ら120名に及ぶ人物像とその学問修得を紹介する。
泉孝英先生を偲ぶ(長井苑子)
◇第T部 総論 ドイツの医学・アメリカの医学・日本の医学緒論
第1章 ドイツ医学の時代
―明治3(1870)年〜大正3(1914)年―
第1節 ドイツ医学の採用
第2節 長与専斎
第3節 ドイツ医学の普及
第4節 ドイツ医学時代の終わり
―第一次世界大戦勃発時の独・墺医学留学生―
第2章 アメリカ医学の時代
―大正3(1914)年〜昭和20(1945)年―
第1節 日本の対中医療活動
第2節 中国の医学校
第3節 ドイツ医学からアメリカ医学へ
第4節 医学留学生の米国派遣(1922〜38年)
第5節 六博士の米国医学視察(1923年2月23日〜5月26日)
第6節 米国の対日医療援助
第7節 文部省留学生の動向 ―ドイツ医学かアメリカ医学か―
第3章 近代日本の医学
第1節 近代日本の145年
第2節 日本の医学研究 ―ノーベル生理学・医学賞への道―
第3節 医療崩壊への道
◇第U部 各論 ドイツ医学留学史
第4章 明治期ドイツ医学留学生の留学目的
はじめに
留学の形態 ―留学費用の負担状況からみた区分―
おわりに
第5章 ベルリン大学内科に学んだ日本人留学生
はじめに
5-1 ベルリン大学内科教授
5-2 ベルリン大学に学期登録した日本人医学留学生
おわりに
第6章 ベルリン大学外科に学んだ日本人留学生
はじめに
6-1 ベルリン大学外科教授
6-2 ベルリン大学外科に学籍登録した日本人留学生
6-3 ドイツ医学の勃興、ドイツ外科の進歩と
わが国におけるドイツ外科の確立
おわりに
第7章 ベルリン大学病理学教室に留学した日本人留学生
はじめに
7-1 ベルリン大学病理解剖学教授
7-2 ベルリン大学病理に学期登録した日本人医学留学生
7-3 病理学の領域で留学の成果を示した留学生
7-4 基礎医学領域において留学の成果を示した留学生
7-5 臨床領域において留学の成果を示した留学生
おわりに
第8章 第一次世界大戦・第二次世界大戦の大戦間に
ベルリン大学に留学した日本人留学生
◇泉孝英先生主要著作目録
著者紹介:泉 孝英(いずみ・たかてる)
1936(昭和11)年、徳島出身、2023(令和5)年87歳で死去。京大胸部研臨床免疫学教授、京大医学部付属病院内科(呼吸器内科)教授、滋賀文化短大学長、公益財団法人京都健康管理研究会理事長等を歴任。1998(平成10)年、米国胸部学会会長賞を受賞。在任中から100冊を超える著書、編書、監修、監訳書などを刊行。医史学研究者としても活躍。
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